Ritchie Blackmore's Rainbow 「孤高のストレンジャー/Stranger In Us All」


孤高のストレンジャー (Stranger In Us All)

新品価格
¥2,100から
(2014/5/18 14:57時点)



1993年11月にリッチー・ブラックモアがディープ・パープルを再脱退し、翌春に新メンバーによるバンドを結成してリリースしたアルバム。


曲目

1. ウルフ・トゥ・ザ・ムーン
2. コールド・ハーテッド・ウーマン
3. ハンティング・ヒューマンズ(インセイシャブル)
4. スタンド・アンド・ファイト
5. エーリエル
6. トゥー・レイト・フォー・ティアーズ
7. ブラック・マスカレード
8. サイレンス
9. ホール・オブ・ザ・マウンテン・キング
10. スティル・アイム・サッド
11. エモーショナル・クライム

93年にディープ・パープルを再脱退したリッチーが、早速作ったソロプロジェクト盤です。
一応レインボー名義とはなっていますがリッチー本人はレインボーを名乗りたがらなかったと聞きます。
私もリッチー研究家の端くれですから彼のプレイやサウンドにはうるさい方でして、本作でのリッチーのギターサウンドは彼の生涯の中でも最高なのではないかと思います。
プロデューサーの技量でしょうかね、とにかくギターは勿論、全体にいい音を出しています。というかロジャー・グローヴァーが駄目だっただけじゃないんでしょうか。

リッチーは80年代後半にステージ上で放り上げたギターをキャッチしようとしてミスし、左手を怪我したんですね。
それ以来、フィンガリングにナーヴァスになり全体に荒いプレイが目立っていました。
また、その頃にオクターヴァーを多用していて彼持ち味のクリーンでナチュラルな音質が損なわれていた時期が続き、私は落胆していました。
本作発表時のリッチーは既に50歳を超えていましたので(1945年4月生まれ)、さすがに往年の凄みはありませんが、代わりに楽曲がいいです。
オープニングの「Wolf To The Moon」からしてリッチー節炸裂です。
リッチーのサウンドってヴォーカル主体なんですね。楽曲もヴォーカルを映えさせるように考えられていますし、実にメロディラインに凝っています。当然、ギターソロではお約束のキメもあり決まってます。

個人的なお気に入りは、恐らくリッチー師匠生涯中でもトップクラスの出来であろう「BlackMasquerade」と久々のハードブギー「Silence」あたりですが全体にリッチー・フレイヴァー満載ですので文句なしの出来だと思います。
ただし、ロニー時代のリカヴァー「Still I'm Sad」はオリジナルと言いますか、「On Stage」の方が全然いいですね。
新加入というより本作のみの参加になったドゥギー・ホワイトのヴォーカルも、まあ及第点でしょう。
リズム隊には文句ありません。

師匠は本作を最後にハードロックから足を洗ってしまい、今じゃ吟遊詩人の浪漫世界に生きています。
まあ波乱万丈の半生でしたから、師匠にはのんびりした余生を送って欲しいと切に願う私です。