トミー・ボーリン 「ティーザー/Teaser」



いまだに多くのミュージシャンから愛されている,今は亡き伝説的なギタリストが,ディープ・パープル加入直前に発表した75年の初ソロ作。R&B/ソウルを下敷きにした,ヘヴィ・ファンクや黒っぽいロックが詰まった,今聴いても素晴らしい傑作。



曲目

1. ザ・グラインド
2. ホームワード・ストラット
3. ドリーマー
4. サヴァンナ・ウーマン
5. ティーザー
6. ピープル,ピープル
7. マーチング・パウダー
8. ワイルド・ドッグス
9. ロータス

75年でしたか、リッチー・ブラックモア脱退後のディープ・パープル後任ギタリストという大役を任されたのが、知る人ぞ知る天才短命ギタリスト:トミー・ボーリンです。
私が思うに、トミーをパープルに加入させたのは歴史的大失敗でした。ディープ・パープルというバンドはもともとジャズ、クラシック、R&R、ブルースなどを融合させたハード&ヘヴィな曲を基盤にして独自の様式に発展させ、クラシカルなキメやステージでのジョン・ロードとリッチーの白熱したインプロヴィゼーション、派手なアクション等によって大衆の心を掴んで巨万の富を築いたバンドでした。
その血はどこまでもグレート・ブリテンだったわけです。
一方、アメリカ人のトミーはスタジオで実力を発揮するギタリストだったと思うんです。
決してライヴパフォーマンス勝負の人では無かったんじゃないかと。その件についてはまた別項にて紹介したいと思いますので割愛します。

本作はトミーがパープル在籍時に作成したソロアルバムです。
もうひとつ「富墓林」と漢字で自分の名前をジャケットに印刷したアルバムもありますが(この辺り、先見の明ですよ)、本作の方が私は好きです。
参加メンバーは超豪華です。ジェフ・ポーカロ、フィル・コリンズ、ヤン・ハマー、グレン・ヒューズなどなど後のロックシーンを代表する錚々たるメンツ。
曲のクォリティも高く、モトリー・クルーがカヴァーした、ハードなリフが印象的なタイトル「Teaser」、トミーのルーツや趣向が判るジェフ・ベック風の「Homeward Strut」、 パープルで親密だったグレン・ヒューズがクライマックス部で得意の高音シャウトをする「Dreamer」、絶品ボサノヴァ調の「Savannah
Woman」、「ディープ・パープル・ラストコンサート・イン・ジャパン」に収録された「Wild Dog」など、秀逸曲目白押しです。

特に「Savannah Woman」は今でもしょっちゅう聴きますね。蛇足ですが私の母親も大好きな曲でした。
ボサノヴァに乗ったお洒落な傑作ですよ。
かつて禁酒法時代のアメリカで密造酒を飲んで死んだミュージシャンが居ました。
フランシス・コッポラ監督の「コットン・クラブ」に出て来るミュージシャンなんですが、そのような不
幸な事故が多発した後遺症として「密造酒よりは安全だろう」と、未だにミュージシャンの間ではドラッグが流行っているようです。
トミーもドラッグ癖さえなければ長生き出来ただろうにと想います。


トミー・ボーリン
アメリカのロックギタリストで、1968年にデビューしてから、ジェイムス・ギャング、ディープ・パープルなど、数々のバンドを渡り歩く、ソロアルバムも2枚発表している。
1976年に麻薬の過剰摂取によりこの世を去る、享年25才。

Tommy Bolin-Teaser-Tracks 3 & 4 Dreamer-Savannah Woman


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