デヴィッド・リー・ロス 「イート・エム・アンド・スマイル」


イート・エム・アンド・スマイル (ワーナー・ハード・ロック1500)

中古価格
¥1,000から
(2014/5/18 16:28時点)




元ヴァン・ヘイレンの看板ヴォーカリストのデヴィット・リー・ロスが1986年に発表したアルバム。
ヒット曲「ヤンキー・ローズ」など収録。


曲目

1. ヤンキー・ローズ
2. シャイボーイ
3. アイム・イージー
4. レイディース・ナイト・イン・バッファロー?
5. ゴーイン・クレイジー!
6. タバコ・ロード
7. エレファント・ガン
8. ビッグ・トラブル
9. バンプ・アンド・グラインド
10. ザッツ・ライフ

ずっとオリジナルヒット曲不在に悩まされ続けたヴァン・ヘイレンが、シンセサイザーによる耳障りのいいサウンドを持ったシングル曲「ジャンプ」によってアルバム「1984」は全米で大ヒットを収めました。
しかし、間も無くフロントマン:デイヴが脱退。
その後彼が自分のバンドを結成して最初にリリースしたアルバムが本作です。
参加ミュージシャンは凄腕ギタリスト:スティーヴ・ヴァイ、世界一の速弾きベーシスト・ビリー・シーンなど超豪華メンバーが揃いました。

実は「ジャンプ」は当初ヴォーカルなしのインスト曲として作られたという挿話があります。
例のエディーが弾くシンセだけでメインテーマを繰り返して例の起承転結を終える、といった予定だったそうです。
それに異を唱えたデイヴが半分無理やりヴォーカルを入れたのだとか。
話の真偽はわかりませんが、言われて見れば確かにあの曲はシンセのテーマだけで成り立っているとも言えそうです。
ひょっとしたらその辺りからエディーとデイヴには確執があったのかも知れません。
当時のライヴを見れば一目瞭然ですが、もともとデイヴはシンガー足りえていません。
彼はひたすらステージ上でシャウトしたり踊ったり観衆を煽るだけで、まともな歌などこれっぽっちも歌っていないんですね(後のヴァン・ヘイレンでヴォーカルを務めたサミー・ヘイガーはデイヴを『道化師』と酷評しました)。
もしかしたらそんなデイヴをエディーは苦々しく感じていたのかも知れません。

いずれにせよ、本作はデイヴのヴァン・ヘイレンに対する鬱憤を晴らすかのようなストレートな作品に仕上がっています。
タイトルからして「奴らを食って笑おうぜ」みたいな意味ですからねぇ。
MTVで流れた「ヤンキー・ローズ」を見て、こりゃカッコいいと私は舌を巻きました。
また「ゴーイング・クレイジー」も大好きですし、「シャイ・ボーイ」もいい。非常にカラっとしたカッコいいR&Rが収められていてアメリカン・ハードロック史に残る名作だと思います。

ヴァン・ヘイレンはその後サミー・ヘイガーをシンガーに迎えて天下を取りましたが、結局またデイヴが加入したようですね。
会社でも家族でもそうですが、真の人間関係というのは外部からは計り知れないものがあるようです。
再結成ヴァン・ヘイレンが成功するのか否か。なかなか興味あります。