タイマーズ  THE TIMERS


ザ・タイマーズ

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Zerry(忌野清志郎)がヴォーカルを務める謎の4人組覆面バンドの1stアルバム。独特のユーモアを交えて政治や社会を風刺する過激な歌詞が魅力。モンキーズのカヴァー曲(5)がCMで使用されヒットした。


曲目

1. タイマーズのテーマ
2. 偽善者
3. 偉人のうた
4. ロックン仁義
5. デイ・ドリーム・ビリーバー~DAY DREAM BELIEVER~
6. 土木作業員ブルース
7. 争いの河
8. カプリオーレ
9. LONG TIME AGO
10. 3部作(人類の深刻な問題,ブーム ブーム,ビンジョー)
11. ギーンギーン
12. 総理大臣
13. LONELY JAPANESE MAN
14. 税
15. イモ
16. タイマーズのテーマ(エンディング)
17. Walk don’t run


個人的には、このバンドを知らずして日本のロックを語って欲しくないってくらいの存在です。

政治家の不正が許せねー!と叫びながらメディアに登場した正体不明(?)のミュージシャン達から成る偉大なバンドというかユニット、プロジェクトです。
そんな巨悪がまかり通ってるのなら、まだミュージシャンのドラッグが可愛いもんじゃねーか、と彼らは主張します。
そもそもバンド名を「タイマーズ」としたブラックなセンスが権力への反抗ですよね。
でも、それこそロック魂なんです。
古くはビートルズの「Lucyin The Sky with Diamond」やジミ・ヘンドリックスの「Purple Haze」あたりが有名ですけど、ロックには、敢えてドラッグを歌うことで既成の権力への抵抗・反抗を示してきた歴史があったわけで、そういった意味でもタイマーズって凄く純粋なロックバンドだったと思います。

骨太ロックンローラーである忌野清志郎(のそっくりさん?)が「タイマー(きっと『大麻』)が大好き」だの「電力は余ってる。もういらねえ」だの堂々と歌ったんですから、そりゃあ衝撃的でした。
あまりに反社会的で過激な歌詞が問題視され、レコード会社が発売禁止にしたりラジオ局が放送禁止にしたりした事件がきっかけで逆に大ヒットするあたり、非常にスキャンダラスで、いかにもロックしてました。
でも、モンキーズのヒット曲「デイドリームビリーヴァー」のカヴァーなどは、なかなか聴かせるメロディです。
また、オリジナル歌詞に忠実な日本語歌詞が凄く合っていて驚きます。
殆ど直訳ですからね。「and」を「そんで」と言う辺り、言葉遊びの上手い清志郎(のそっくりさん)らしいです。

彼らが生放送「ヒットスタジオR&N」に出演して、演奏曲目を勝手に変えてFM東京、仙台への怒りをぶちまけたシーンは番組関係者や標的にされた当事者のみならず日本中を巻き込んだショッキングな事件であり、だからこそロックファンには溜飲の下がる歴史的瞬間でした。
しかも、毒舌を吐く3コードのロックンロールがシンプルで凄くカッコいいわけです。
まさしくこれこそがロックだろう、と。
このバンドというか、忌野清志郎(のそっくりさん)を知ってしまうと、流行の恋愛歌を安直な英語で歌って得意になってる連中が安っぽく見えてしまい、しょせんは日本の音楽界なんて「まともな奴はひとりもいねえ」「子供だましのモンキービジネス」で「寄ってたかって分け前を漁る」世界なんだろうなーと感じてしまいます。(RCサクセション『ドカドカうるさいR&Rバンド』の歌詞)。

また、その後の話ですが、清志郎は「君が代」をロックヴァ-ジョンで歌っています。
まぁ、ハードです。ロックスピリット、健在って感じです。

とにかく、タイマーズの歴史的名場面を見てください。カッコいいですよ。