ガンズ・アンド・ローゼス  「Apetite For Destruction」


Appetite for Destruction

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87年発表のガンズのメジャーデビューアルバム、翌88年には見事全米ナンバー1になった、モンスターアルバム。

曲目

1. Welcome to the Jungle
2. It's So Easy
3. Nightrain
4. Out Ta Get Me
5. Mr. Brownstone
6. Paradise City
7. My Michelle
8. Think About You
9. Sweet Child O' Mine
10. You're Crazy
11. Anything Goes
12. Rocket Queen


オススメするにはベタですが、これを聴かずして80年代以降のハードロックは語れないと言っても過言ではないハードロックのひとつの完成形であり、ある意味で集大成とも言えるんじゃないかなー的作品です。
80年代中期頃、ラット、モトリー・クルー、WASP、ボンジョヴィなどのハードロック/ヘヴィメタルバンドがメディアを賑わし、相次いで安直なPVがMTV等でヘヴィローテーションにてオンエアされた時期がありました。
いわゆるLAメタルですね。ツウィスティッドシスターやらシンデレラなんかも人気ありました。
それら群雄割拠するバンド群を強引に一掃し、この安っぽい一過性の流行に強烈な終止符を打ったのがGN'Rです。
当時はルックスのいいシンガーと早弾きギタリストがいるバンドがそこそこ受けそうな曲を出して流行のPVを流せば人気が出て売れる、というセオリーめいたものがあったんですが、GN'Rはものの見事にそれらの概念を打ち砕きました。
また、速弾き競争に陥っていたギターソロ合戦にも「違うだろ」とばかり、割って入った形になったのがスラッシュでした。
私は87年の末に初めて「Welcome to the Jungle」のPVを見てぶっ飛びました。例の、アクセルがバス停から降りてきて、すれ違う女に見とれてると、あのイントロがかかって路肩に座った怪しいスラッシュがボトルごと酒を呷るシーンのやつです。
第一印象は、ヘヴィメタルじゃなくハードロックだなというものでした。そこに70年代の香りを感じたんです。
ああ、このバンドのコンポーザーは70年代のロックに影響を受けてるなと推測出来ました。
また、スラッシュのあの格好ですね。あの山高帽はリッチー・ブラックモアを彷彿としましたし、低く構えたレスポールはジミー・ペイジ然としていました。
そしてあの曲調です。アクセルの有名な、シャナナナナナナナナナニー!といい、70年代然とした展開といい、私のツボにハマった訳です。
これは本物だ!と興奮しました。

さて、本作です。個人的にGN'Rのドラムは本作のスティーヴン・アドラーが良かったと思います。
同様に、リズムギターもイジー・ストラドリンが良かった。
ギターでコピるとわかるんですが「Welcome to the Jungle」のリフってヴァン・ヘイレンの「You Really Got Me」と良く似てるんですよね。
曲調は全く違うんですけど。
「It's So Easy」は最初聴いた時、このバンドにはセカンドシンガーがいるんだなと思いました。
一曲目に比べて余りにも低い声でしたから。
てっきりギターあたりが歌っているのかなと勘違いしたんです。
しかし、そこは「七色の声を持つ」と比喩されたウィリアム・ベイリー(アクセル・ローズの本名です)君だったわけですね。
パンキッシュでカッコいい曲です。
最後のクライマックスに向かうあのスリリングさが堪りませんね。
「Nightrain」…未だにGN'Rのステージではここぞという場面で使われるドラマティックな展開の曲です。
「Out Ta Get Me」…典型的ハードロックですね。
これをアクセルが歌い、スラッシュがギターを弾くからカッコいいんです。
「Mr.Brownstone」…オリジナルたっぷりですね。他に聴いたことのないテイスト。
「Paradise City」…最初に火が点いた曲がこれでしたね。
全米が聴き狂ったとか(大袈裟?)。スラッシュ曰く、「墓まで持って行きたい曲」だそうです。作り手ならではの思い入れが半端ないんでしょうね。
「My Michelle」…超高音が出るからこその曲ですね。
リフがどこかクイーンを思い出させるんですよ。何の曲なのか思い出せないんですけどね。
「Think About You」…ゴリゴリのハードロックじゃない、こういうポップな曲調が本作の幅を広げてますよね。
「Sweet Child O' Mine」…非常に世界的に愛されている曲ですね。アルペジオ展開のイントロといい、牧歌的なソロといい、最初は少々陳腐な感を否めなかったんですが、どうしてどうして、立派なGN'R節です。
「You're Crazy」…アンプラグドVerを見たことがあります。
アクセルのこの超高音は本人もさすがにもう出せないでしょう。
「Anything Goes」…一番モタつく曲順にこういう曲を持ってこれるあたり、やはり違いますね。
「Rocket Queen」…個人的に、一曲目の次に好きになった曲です。なかなか出来ないんですよ、こういった曲作りは。

オリジナルメンバーはアクセル・ローズただ一人となったGN'Rは本作のみで伝説を作り続けていますが、過去の遺産に頼ってばかりもいられないでしょう。
21世紀に入ってず~っと噂されている「Chinese Democracy」が一体いつどんな内容でリリースされるのか。
世界中のファンが興味深々で待ち続けています。