モトリー・クルー 「ドクター・フィールグッド/Dr. Feelgood」


ドクター・フィールグッド 5

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スティーヴン・タイラーやブライアン・アダムス、スキッド・ロウらが参加したモトリーの5作目。従来のR&Rパーティ的なメデタさは影を潜め、メロディを重視した親しみ易い構成が特色の本作。ワイルドななかにも進化するロック論を持ち込んだ力作。


曲目

1. TNT
2. ドクター・フィールグッド
3. スライス・オブ・ユア・パイ
4. ラトルスネイク・シェイク
5. キックスタート・マイ・ハート
6. ウィズアウト・ユー
7. セイム・オール・シチュエーション
8. スティッキー・スウィート
9. シー・ゴーズ・ダウン
10. ドント・ゴー・アウェイ・マッド
11. タイム・フォー・チェンジ

ヘヴィメタルがいまいち市民権を得られず、ごく一部のコアなマニアにだけ支持されているのは事実ですよね。
かく言う私も正直言ってヘビメタにはあまり魅力を感じません。
何でかなとずっと考えていたんですが、最近になってようやく気付きました。
それは、端的に言うと「カッコ良くないから」。
後ノリじゃないから心臓のビートと呼応しないんです。
ここで言うヘビメタとは、いわゆるインギーに代表されるネオクラシカル系とかデスメタル等です。
テクニカルでアップテンポなんだけど、どうも大仰でマイナーなメロディーを押し付けて来るばかりで心を打たない。
例えばジューダス・プリーストあたりはカッコいいと思うわけです。
アイアン・メイデンも好きです。
カッコ良くないと私が感じるのは、何度も言いますけどデスメタルみたいな形態です。
要するにブギーの要素が入ってないんですね。
上辺だけクラシカルな雰囲気のパワーコードをメタリックなリフでゴリ押しするタイプ。
やっぱりロックはカッコ良くなきゃ!

という訳で今回はモトリーです。はっきり言って下手クソなバンドです。
ひたすらワルなイメージが強いこのモトリー・クルーですが本作は最高です。
日本語に無理やり訳すと「快楽先生」とでも言うのでしょうか?
それがまた意味深でワルですね。
ヴィンス・ニールの歌は全然上手くないし歌メロも安直、ギターを始めとする楽器隊も大学生に劣るレヴェルなんですが、この「快楽先生」だけはカッコいいです。
カヴァーの「Smokin' In The Boys' Room」にも通じるモトリーのカッコ良さがあります。
で、そのカッコ良さの結論は「ブギー」なんですよ。エアロというかスティーヴン・タイラーが最も得意とするこのブギー調ってイギリス系バンドではあまり使わないリズムだと感じますけど、個人的には大好きです。
本作を聴くとテクニックじゃないなと。楽曲作りが最重要だなと改めて痛感したりします。

エアロスミスが復活する機運を高めるのにモトリーは大きな役割を演じました。
当時人気絶頂だったモトリーがエアロの傑作「Night In TheRats」をツアーに帯同していて「やっぱりエアロスミスは最高」というコメントを残したのは有名な話。
それやこれやでエアロ待望論が大きくなって再登場、今に至るんですけど。
そういう意味でも私はモトリーには感謝しています。