ホワイトスネイク 「ライヴ・・・イン・ザ・ハート・オブ・ザ・シティ」


ライヴ・・・イン・ザ・ハート・オブ・ザ・シティ

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元ディープ・パープルのイアン・ペイスを加え、パワーアップしたステージを収録した、ホワイトスネイクのライヴ・アルバム。


曲目

1. Come On
2. Sweet Talker
3. Walking in the Shadow of the Blues
4. Love Hunter
5. Fool for Your Loving
6. Ain't Gonna Cry No More
7. Ready an' Willing
8. Take Me with You
9. Might Just Take Your Life
10. Lie Down
11. Ain't No Love in the Heart of the City
12. Trouble
13. Mistreated

ディープ・パープルが解散する直前にバンドを自主的に脱退していたデヴィッド・カヴァーデイルが、パープルとは違う音楽性を求めて結成したブルース寄りのロックバンドがホワイトスネイクです(初期はそうでした)。
パープル脱退後に彼が始めたソロ・プロジェクトでのアルバム名が「ホワイトスネイク」で、それに因んでバンドにそのまま使われて定着しました。
ちなみに、デヴィッドによれば、ホワイトスネイクとは白人男性のペニスを意味するそうです(単なる冗談?)。
とにもかくにもディープ・パープルは自身が定着させたハードロックイメージにがんじがらめになっていたという印象がデヴィッドにはあったんでしょうね。
初期ホワイトスネイクでは極力ゴリゴリ感を廃して、メロディ重視のサウンドを目指しています。
ギターにバーニー・マースデンとミッキー・ムーディを起用し、ベースはニール・マーレイ。程なくしてキーボードに元ディープ・パープルのジョン・ロードが加わり、最終的にはパープルサウンドの要であったイアン・ペイスまでが参加し、パープルファンには堪らない夢のバンドとなりました。
折りしも、80年代初頭にヘヴィメタル・ムーヴメントがイギリズで起こり、元パープルのリッチー・ブラックモア率いるレインボー、同じくイアン・ギラン率いるギラン、そしてこのホワイトスネイクはそれぞれ本国をはじめ日本でも人気絶頂を迎えました。
本作は「フール・フォー・ユア・ラヴィン」が全英№1に輝いた頃のライヴで、まさに初期ホワイトスネイク集大成のパフォーマンスが堪能出来ます。
個人的に好きな曲は「ラヴ・ハンター」、「ウォーキン・イン・ザ・シャドウ・オブ・ザ・ブルース」「レディ&ウィリン」あたり。
但し、パープル時代の十八番だった「ミストゥリーテッド」の出来には感心しません。
ベースがギターとユニゾンのラインをトレースするので何やら重いし単調に聴こえる気がします。レインボーが演奏する「ミストゥリーテッド」も同じでした。やはりここはグレン・ヒューズの良く動くベースが欲しいところ。

本作発表後も精力的に活動を続けたホワイトスネイクでしたが、レインボー同様、どうしてもアメリカマーケットでの成功が欲しかったらしく、メンバーを一新してルックスを80年代LAメタル風に変えてツェッペリンの曲をパクってました。
その件についてロバート・プラントが激怒したのは当然でした。
確かに「サーペンス・アルバム」は全米チャート上位に食い込む大ヒットを記録し、デヴィッドの野心は叶えられたわけですが、初期ホワイトスネイクを知る者に取っては何か寂しい気持ちになったものです。
そういったバンドの凋落(?)も考えながら本作を改めて聴いてみると、やはり初志を貫徹すべきだったのかなぁとか感慨にふけってしまいます。
ま、私の思いはともかく、良質なブリティッシュ・ロックが散りばめられた本作。オススメですよ。

なお、「ジョジョの奇妙な冒険」という人気漫画にホワイトスネイクという敵スタンドが出て来ます(第6部:ストーン・オーシャン)。作者の荒木飛呂彦氏はロック通のようですが、やはりパープルを含めた分派は正統派扱いされないようで、敵役によく使われます。
代表的なのがディオ。勿論、ロニー・ジェイムス・ディオから取られています。
イメージはピッタリなのですが、荒木先生、パープル系が嫌いなんだなぁと痛感したりします。