BB&A(ベック・ボガート&アピス) ライヴ・イン・ジャパン


ベック・ボガート&アピス・ライヴ・イン・ジャパン

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日本でのみ発売が許されたベック・ボガート&アピスの2枚組ライヴ盤。2年ほどで解散してしまったグループなので、アルバムは本作とスタジオ録音1枚しか残されていない。


曲目

ディスク:1
1. 迷信
2. 君に首ったけ
3. ジェフズ・ブギー
4. ゴーイング・ダウン
5. ブギー
6. モーニング・デュー

ディスク:2
1. スウィート・スウィート・サレンダー
2. リヴィン・アローン
3. アイム・ソー・プラウド
4. レディー
5. 黒猫の叫び
6. ホワイ・シュッド・アイ・ケアー
7. メドレー:プリンス~ショットガン

ジェフ・ベック、ティム・ボガート、カーマイン・アピスというロック史に残る最強トリオの来日記念アルバムです。
BB&Aが結成されるまでには紆余曲折あったようです。
旧友であるレッド・ツェッペリンのジミー・ペイジ、ジョン・ボーナムと歓談しながらヴァニラ・ファッジのレコードを聴いていたジェフが、ヴァニラのリズムセクションを担当していたティム(Bass)とカーマイン(Drums)に惚れ込み、「いつかこいつらと演奏したい」と発言。その話をジョン・ボーナムがティムら二人に伝えたことから話はスタートしたようです。天才ギタリストからの誘いにティムとカーマインは狂喜したと伝えられています。
この話にはジェフ・ベック・グループに居たロッド・スチュアートも無関係ではありませんでした。
つまり、ジェフ、ジミー、ボンゾ、ロッドというブリティッシュハード界の第1級スター選手達が絡んでいるといった点でも物凄い話です。一般にはロック界最強トリオといえば、クリーム、ジミ・ヘンドリックス&エクスペリエンスなどの名前が挙がります。
では、このBB&Aの特長は一体何なのか?
まずはやはりジェフのギターでしょう。今でも昔と変わらぬルックスを誇るジェフは間違いなく孤高の天才と言える絶対の存在。
基本はペンタトニックスケールの多用なのですが、「同じフレーズを2度と同じようには弾かない」ことでも有名で、彼の曲を完コピするのは至難の技だと言われて久しいです。
「黒猫の叫び/Black cat moan」ではヘタウマなヴォーカルも担当しています。
次にドラムのカーマイン・アピス。彼のドラミングの物凄さはオープニングの「迷信/Superstition」でわかるでしょう。
シンコペーションの入れ方と派手な響きが絶妙で、しかも驚くことに彼はあのド迫力のプレイを、コーラスをとりながら行っているのです。
ティムのベースも凄い。タイプとしてはクリームのジャック・ブルースに似ているんでしょうかね。
ジェフの好演に応えようとしたのか気迫溢れるプレイを展開し、「君に首ったけ/LoseMyself With You
」ではソロを披露しています。

好きな曲は前述の「迷信/Superstition」、「君に首ったけ/Lose Myself With You」、「スウィート・サレンダー」、「ジェフズ・ブギー」あたりです。
なお、「迷信/Superstition」はスティービー・ワンダーの書いた曲で、書いた本人もリリースして大ヒットさせました。
この辺も何か契約の段階で取り違えが発生したのでしょうね。
後年、スティービーは謝罪を込めてジェフに曲を贈ったと記憶しています。
また、本作はジェフ・ベック最後のハードロック演奏という意味でも貴重です。BB&A解散後、ジャズに傾倒した彼は世に名高い「ギター殺人者の凱旋/Blow by blow」を発表します。

2年間だけ大暴れしてスタジオ盤とライヴ盤を1枚ずつリリースすると、さっさと解散してしまったBB&A。
一瞬の閃光を是非体験ください。