ラウドネス 「THE BIRTHDAY EVE(誕生前夜)」


THE BIRTHDAY EVE(誕生前夜)

新品価格
¥1,867から
(2014/5/18 15:06時点)



元レイジーの高崎晃,樋口宗孝,元ゼファーの山下昌良,元アースシェイカーの二井原実の4人によって結成されたヘヴィメタルバンド、ラウドネスが81年11月に発表したデビュー・アルバム。

曲目

1. ラウドネス
2. セクシー・ウーマン
3. オープン・ユア・アイズ
4. ストリート・ウーマン
5. トゥ・ビー・デーモン
6. アイム・オン・ファイアー
7. ハイ・トライ
8. ロック・ショックーモア・アンド・モアー

LOUDNESSってのは昔のステレオや音響システムで特に重低音を強調したい時に押すスイッチの事でしたね。
今もあるのか知りませんけど、まあハードロック/ヘヴィメタルバンドとしては、その心意気を表していていいとは思うんですが、ちょっと英語圏じゃ恥ずかしいネーミングかも知れません。

むかしレイジーってアイドルユニットが居ました。今みたいにジャニーズが圧政を敷いていない時代でしたからジャニーズ事務所以外の男性アイドルグループってのも存在出来たんです。
そのレイジーってユニット名はディープ・パープルの代表作である「Machine Head」内の「Lazy」から取られている事はつとに知られている事実でした。
何しろ「Lazy」は、ジェフ・ベックの「スキャッターブレイン」と並んでギター完コピが最も難しい曲とされていましたので、いつかは完全コピーしたいというスージー(高崎晃)の願望があったと聞きます。
そのレイジーがラストアルバム「宇宙船地球号」でハードロック路線を表した後に解散、そして結成されたのがラウドネスです。

高崎以外にもレイジーから樋口(ドラム)が加入、そして何と言ってもヴォーカル:二井原実の加入で一気に話題沸騰となりました。
彼は私が知る限り、日本ハードロック界で最初のハイトーンシャウターでしたから(クリスタルキングの田中さんが先駆者ではありますが彼は本来大好きなはずのハードロックはあまりやっていなかったように記憶しています)。
ラウドネスのデヴューアルバムが本作です。初めて聴いた時、おー、日本のハードロックもここまで来たのか、と感じましたね。
何しろそれまでは山本恭一率いるBOWWOWが頑張ってはいたものの、どうしても海外のシンガーと互角に戦えるような逸材に恵まれず、楽曲はいいのに聴くにはキツいという状態が続いていましたからね。
そりゃたまげました。ズッシリと重くてソリッドなギターリフから始まる「Loudness」、リフがカッコいい「Sexy Woman」、ひたすらヘンッドバンキング出来る縦ノリの「Rock Shock」と佳曲揃いです。
やはりハードロックはリフです、そこのところを高崎さんは良く知っていました。
また、曲に起承転結をつけるあたり、彼のギタースタイルはリッチーを基本としていたと思います。
その上で当時の業界牽引者だったエディ・ヴァン・ヘイレンの影響も見逃せませんね。
アーミングあり、タッピング、ピッキング・ハーモニックスなどを多用するスタイルです。
また樋口のドラミングも本格的で鼻息荒いです、なんかサイモン・フィリップスを彷彿するプレイです。

先日ジムでラウドネスがラジオオンエアされていて本作を思い出し、思わず買ってしまいました。
本作で刺激されたのか、BOWWOWは二井原実に負けないハイトーンの持ち主である人見元基を入れてVOWOWとバンド名を変更し、この2大巨頭が二本のヘビメタ旋風を引っ張る事になります。
当時の日本では他にもアースシェイカーや44マグナムなど人気あるヘビメタバンドはありましたが、実力ではラウドネスとVOWWOWには勝てなかった気がします。

ラウドネスは後に「Crazy Night」でアメリカンマーケットに受け入れられ、成功を収めました。
そういった意味で日本が初めて世界に通用したバンドなんですね。
本作はそのデヴューアルバムですから記念碑みたいな作品です。
ま、ラウドネスに限らず、デヴューアルバムってのはアーティストがそれまでに書き溜めた曲やアイディアが詰まってるものですから出来が良いものなんですよね、要チェックですよ。