ゲイリー・ムーア 「アウト・イン・ザ・フィールズ~ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ゲイリー・ムーア 」


アウト・イン・フィールズ~ヴェリー・ベスト・オブ・ゲイリー・ムーア(3ヶ月期間限定)

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ベテラン・ギタリストの82年からの音源を集めた2枚組ベスト。

曲目

ディスク:1

1. アウト・イン・ザ・フィールズ
2. オーヴァー・ザ・ヒルズ・アンド・ファー・アウェイ
3. ラン・フォー・カヴァー
4. パリの散歩道(ライヴ)
5. エンプティ・ルーム
6. ザ・ローナー
7. ミリタリー・マン
8. アフター・ザ・ウォー
9. コールド・デイ・イン・ヘル
10. ワイルド・フロンティア
11. それでも君を
12. ウィッシング・ウェル
13. フライデイ・オン・マイ・マインド
14. スティル・ゴット・ザ・ブルース
15. レディ・フォー・ラヴ
16. シェープス・オブ・シングス

ディスク:2

1. ストップ・メッシン・アラウンド(ライヴ)
2. アウト・イン・ザ・フィールズ(ライヴ)
3. リーチ・フォー・ザ・スカイ(ライヴ)
4. ザ・ローナー(ライヴ)
5. オール・メスト・アップ(ライヴ)
6. サンダー・ライジング(ライヴ)
7. オーヴァー・ザ・ヒルズ・アンド・ファー・アウェイ(ライヴ)
8. ミリタリー・マン(ライヴ)
9. デヴィル・イン・ハー・ハート
10. エメラルド
11. リヴィン・オン・ドリームス(リミックス)

伊藤政則氏が言うところの「人間国宝」ゲイリー・ムーアです。
彼の発表した数あるアルバムから1枚を選ぶってのは非常に困難です。
最終的に、彼のベストワークと言えるであろう「パリの散歩道(ライヴ)」と「The Loner」が入っていいるという事で安易に本作を選んでみました。

ゲイリー・ムーアというギタリストはブルーズを基盤にした卓越したギターテクニックや独自のセンスを持っているアーティストなんですが、その割に苦難のキャリアを積まざるを得なかった人という印象を受けます。
その原因を私なりに考えてみたんですが、ひとつには彼の個性的な顔が挙げられるのではないかと(失礼)。
70年代~80年代のカリスマギタリストってのは例外なくルックスがいいんです。
ジミー・ペイジ、リッチー・ブラックモア、ジェフ・ベック、エリック・クラプトン、マイケル・シェンカー、ランディ・ローズ、イングヴェイ・マルムスティーン、エディ・ヴァン・ヘイレン、ロニー・モント
ローズ、テッド・ニュージェント、スラッシュなどなど。
男前とかじゃなくてもそれなりのオーラを感じる人ばかりです。
そこへ行くとゲイリー、苦戦です。
また、彼はリードヴォーカルを取りたがる傾向があるんですが、これまた正直言ってキツい。あんまり上手いとは思えません。
ギタリストに徹してバックで黙々とやってればまだ良かったのかも知れませんね。
前に出過ぎたのかも。

但し、ギターは超絶に上手い。
速弾きは鬼のようだし、ギターを泣かせりゃ天下一品。
伊藤氏が人間国宝と呼ぶのも良く理解出来ます。
特に「パリの散歩道」と「The Loner」は出色の出来でしょう。
つまり、典型的なソロイストなんですね。色気を出してシンガーやっちゃいけないタイプ。
スタジオ録音盤「パリの散歩道」はシン・リジィのフィル・ライノットが歌っていましたがライヴではゲイリーのギターがひたすら泣いています。
ジェフ・ベックとは違う泣き方です。とにかく泣きます。
オリジナル「The Loner」はコージー・パウエルのソロアルバムに収録されていて、デイヴ・クレムソンが弾いているのですが、少々ジャジーな、フュージョンチックな仕上がりだったのをゲイリーがとことんブルージーにアレンジしました。
これがまた、泣いてます。
個人的にはゲイリーの書くR&Rナンバーが大好きなんですが、ここまで見事に泣かれると、やっぱり心惹かれます。
まさに人間国宝級。泣きのビヴラートを堪能してください。