レッド・ツェッペリン 「フィジカル・グラフィティ」


フィジカル・グラフィティ -限定Celebration Day Version-

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自ら設立したスワン・ソング・レーベルからの第1弾リリースとなった、1975年の6thアルバム。


曲目

ディスク:1

1. カスタード・パイ
2. 流浪の民
3. 死にかけて
4. 聖なる館. 04:02
5. トランプルド・アンダー・フット
6. カシミール

ディスク:2

1. イン・ザ・ライト
2. ブロン・イ・アー
3. ダウン・バイ・ザ・シーサイド
4. テン・イヤーズ・ゴーン
5. 夜間飛行
6. ワントン・ソング
7. ブギー・ウィズ・ステュー
8. 黒い田舎の女
9. シック・アゲイン

言わずと知れた超モンスターバンドです。多分、ロックバンドとして歴史上最も商業的に成功し、未だ尊敬され続ける最高位の伝説バンドでしょう。
特にアメリカではZEPに対する畏敬の念が強い気がします。
リーダーはジミー・ペイジ(G)。不動のフロントマンにロバート・プラント、ドラムにジョン・ボーナム、ベース&キーボードにジョン・ポール・ジョーンズ。
私がハードロックに目覚めた頃、ロック通の仲間うちでパープル派とZEP派が対立?していました。
パープル派であった私は、どーしてもジミーのギターテクニックが許せなかったのと、パープルの「Burn」や「Black Night」のようなカッコいいリフが無いという理由でZEPには馴染めませんでした。
あと、あまりにZEPが神格化されているのも気に食わなかったんですね。
ただ、後年よーく聴き込んでみると意外にいいじゃん、とやっと肯定出来るようになって来ました。
全盛期のライヴパフォーマンスがDVDで見られるようになって、改めて「こりゃ人気が出るはずだわい」と舌を巻いた次第です。
金髪を振り乱してシャウトする彫刻のように美しいロバートがいて、下手だけど存在感たっぷりのジミーが聴衆を煽り、ボンゾが激しいドラミングを披露し、ジョーンジーがひとり冷静にベースラインを弾いている、それが凄くサマになっているわけです。

つくづく感じるんですが、ジミーってリフ作りの天才なんですね。
一部でパクリだの言われてますけど、ロックそのものが黒人ブルースのパクリな訳ですので…
特に「Whole Lotta Love」、「Black Dog」、「Kashmir」あたりのリフは、ちょっと普通の人は思いつかないですよ。
演奏面では2ndアルバムまでがZEPの最盛期でしょう。
ロバートの声も良く出ています。また、有名な曲が多いという点で、4th(Ⅳ、4シンボル)がZEPの代表作だと言う人も多いでしょうし、ジミーファンは「プレゼンス」を推し、ジョーンジーファンは「インスルー・ジ・アウトドア」こそ最高だと主張するかも知れません。
しかし私は敢えて「フィジカル・グラフィティ」を推します。
2枚組のこの作品にこそZEPの真髄が込められているような気がするからです(けど、違うかも知れません…)。
個人的に好きな曲はリフがカッコいい「The Rover」、ジミーのボトルネックが冴える「In My Time Of Dying」、何となくレインボー風の「In The Light」、ワンパターンでひたすらグルーヴす「Trampled Under Foot」、大作「Kashmir」、79年ネヴワースでのライヴがカッコ良かったR&Rナンバー「Sick Again」あたり。

パープルと比べて録音状態の良さに驚きます。
各パートの音が分離していて古臭さを感じないんですよ。
個人的にはベース音がもう少しソリッドでも良かった気がしますが。
何でパープルやレインボーってあんなにスタジオ録音の音が悪いんでしょうか。腹立たしいほどです。
それと、ZEPのイメージを敏腕マネージャー:ピーター・グラントが良く守りましたよね。
彼なくしては今のZEPは無かったでしょう。
ジミーのギター奏法については語り尽くされているので割愛しますが、敢えて一言コメントするとすれば、プリングオン、ハンマリングオフをあまり使わない、全てピッキングするソロの ため、テケテケサウンドになってしまっている、ということですかね。
全力投球し過ぎです。特に後期のソロは聴くに耐えないというか。
少なくともソロについてはジミー、センスがないです…

ジミーのギターはともかく、本作はまさに巨万の富を得た人たちの力作です。