ギラン 「ギラン・アット・ザ・BBC」


ギラン・アット・ザ・BBC

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ギランがバンドとして最盛期だった79年と80年のBBCによるライヴ音源集。

曲目

ディスク:1

1. インタビュー
2. スリーピング・オン・ザ・ジョブ
3. ミスター・ユニヴァース
4. デッド・オブ・ナイト
5. ローラー
6. ヴェンジェンス
7. スモーク・オン・ザ・ウォーター
8. シークレット・オブ・ザ・ダンス
9. スリーピング・オン・ザ・ジョブ
10. ミスター・ユニヴァース
11. デッド・オブ・ナイト
12. ヴェンジェンス

ディスク:2

1. アンチェイン・ユア・ブレイン
2. アー・ユー・シュア?
3. ミスター・ユニヴァース
4. ノー・イージー・ウェイ
5. トラブル
6. イフ・ユー・ビリーヴ・ミー
7. オン・ザ・ロックス
8. ナーヴァス
9. ランニング・ホワイト・フェイス・シティ・ボーイ
10. ヴェンジェンス
11. ルシール
12. インタビュー
13. イフ・ユー・ビリーヴ・ミー


今はもう白髪頭のおじさんと化したブリティッシュ・ハードの雄:イアン・ギランが、若き日にディープ・パープルを脱退して結成したのがイアン・ギラン・バンドでした。
このバンドでイアンはパープルとは違う、ちょっとジャジーなロックに挑戦して見せたんですが、リスナーの理解を得られないまま商業的には失敗に終わりました。
それじゃあって事でディープ・パープル路線に戻したのがギランというバンドです。
イギリスBBC放送ではロック番組の放送を行っていて(今も?)出演者のライヴがCDやDVDになって良く販売されています。
ディープ・パープル、レッド・ツェッペリンなどは特に有名です。

そのBBC放送でのギランのライヴパフォーマンスが収録されているのが本作です。
メンバーはイアン・ギラン(Vo)の他に、バーニー・トーメ(G)、ジョン・マッコイ(B)、コリン・タウン(Key)、ミック・アンダーウッド(Dr)。このミック・アンダーウ
ッドこそ、アウトローズ時代のリッチー・ブラックモアの盟友であり、シンガーを探していたパープルにイアン・ギランを紹介した張本人です。
渋いドラミングを聴かせてくれます。ギランを聴いてつくづく思うんですが、イアン・ギランという人は根っからの能天気者なんですね。
ちょっと暴走気味なほどに。だから神経質なリッチー・ブラックモアと合わなかったんではないかと。
ギランのメイン・コンポーザー:キーボードのコリン・タウンが創る曲ってメジャーコードによる明るくファンキーな曲調が目立つんですが、それがイアンに実にマッチしてるように思います。
歌っていて楽しそうな雰囲気が伝わって来るんですよ。
ディープ・パープル時代から「Lucille」などオールドR&Rを好んで歌っていたイアンでしたが、ギランでもエルビス・プレスリーの「Trouble」やオールディーズの「New Orleans」をカヴァーしています。
この2曲は文句無くカッコいいです。これこそイアン・ギランの面目躍如たる出来だと思います。

ギランはメンバーのユニークさが際立ったバンドでもありました。
コリン・タウンは物静かで知的な紳士。ジョン・マッコイはどう見ても怪物でプロレスラー風。バーニー・トーメはパンキッシュでミリタリーな男前。
いぶし銀のミック・アンダーウッド。
彼らを統括するイアン・ギランは根っからのひょうきん者。
アットホームな雰囲気を漂わせながらハードでファンキーなノリノリハードロックを演奏したギランはイギリスではレインボーやホワイトスネイク以上の人気を誇ったとも伝えられています。

イアンのヴォーカルは全盛時を過ぎていて往年のシャウトは望めません。
ハイトーンシャウターってのは寿命が短いですね。
その分、バーニー・トーメの型破りなギターは聴き応えがありますよ。
ぶち壊しのギターというか、効果音的な働きに徹しているというか。個人的に大好きなギタリストです。

上述の通り本作はTV放送用に録音されたものですから、大きな会場特有の凄みあるライヴではありませんが、ギランの本質は充分に満喫出来る内容だと思います。
個人的に好きな曲は前述のオールディーズ2曲以外に、縦ノリの「Are You Sure」、バーニーのギターが大暴れする「Mr.Univers」、楽天的な「No Easy Way」、スピーディーな「Running White
Face City Boy」あたり。イアンのライフワークと化した感のある名曲「SmokeOn The Water」も収録されており、一際大きな声援が送られています。
GN'R以降のハードロックバンドと比べると単調な曲が目立ちますが、シンプルで判りやすい曲ばかりです。
是非一度聴いてみてください。