レインボー・オン・ステージ [Best of]

レインボー・オン・ステージ

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内容(「CDジャーナル」データベースより)
『虹を翔る覇者』で人気を不動のものとし、脂の乗った76年に行なった来日公演の模様を中心に収録されたライヴ・アルバム。メンバーのパワフルなプレイが堪能できる。

曲目
1. キル・ザ・キング
2. メドレー
3. 虹をつかもう
4. ミストゥリーテッド
5. 16世紀のグリーンスリーヴス
6. スティル・アイム・サッド


レインボー全盛期の圧倒的なパフォーマンスを余すところなく記録した名作ライヴです。
当時のレインボーはいわゆる「三頭政治」と呼ばれる前の状態でした。
ですからジミー・ベインやトニー・カレイも助っ人扱いではなくパーマネントなメンバーだと私らも認識していました。

リッチー研究家の間では、リッチーがステージ上で本気のプレイをやっていたのはこのアルバムの頃までではないかとも言われていますが、それも言えているかなと感じます。
残念ながら、何事にも飽きっぽくムラのある師匠は、その後のレインボーではあまりいいプレイを披露してくれなくなりましたからね。
非常に残念です。

本作の聴きどころは当然ながらリッチー、ロニー、コージーによる火の出るようなパフォーマンスでしょう。
リッチーのストラトサウンドの線が細いのが少々気になりますが、「Sixteen century Greensleaves」あたりでは最高のディストーションサウンドを聞かせてくれますし、「Still I'm sad」の出来も圧巻です。
コージーのドラミングについてもはや説明は不要でしょう。ツーバスを多用した硬質なドラムはハードロックドラムのお手本となるもの。
サウンドを聴いた瞬間、プレイヤー名が分かってしまうドラマーというのは世界的に希有ですが、コージーはその非常に稀なひとりでしょう。
そしてロニーの圧倒的なド迫力ヴォーカルです。

ロニー・ジェイムス・ディオと言えば、リッチーのディープ・パープル脱退の契機となった逸材として知られています。
元々はエルフというバンドでアメリカンなR&Rサウンドを提供していたんですが、リッチーとレインボーを結成してからは例のおどろおどろしい中世的なハードロックに徹し、マニアからは神的扱いを受けていました。

リッチーをして「俺がシンガーだったらロニーみたいな歌い方をするだろうね」と言わしめたそのヴォーカルスタイルは、まさしく理想的なロックヴォーカルそのもの。
身長こそ低いものの、声量があって伸びと張りのあるヴォーカルで一世を風靡したと言えるでしょう。
パワフルでかつメロディアスというヴォーカルスタイルはリッチーの理想を具現化したものだったのでしょう。

まさかのレインボー脱退となった後はブラックサバスに加入、名作「ヘヴン&ヘル」等を発表し好評を博したものです。
ロニーのイメージにはレインボーよりむしろサバスの方が合っていたのかも知れません。
ちなみに、ブラックサバスは周知の通り、ブリティッシュハードロック界の草分け的存在として知られていますが、このロニーを始め、イアン・ギラン、グレン・ヒューズ、ボブ・デイズリー、コージー・パウウェルやボビー・ロンディネリなど、リッチーに縁のある人材が続々と加入しました。
サバスのギタリスト:トニー・アイオミはリッチーに親近感を抱いていたようですから、転職先としては打って付けだったのかも知れません。

ロニー・ジェイムス・ディオは残念ながら2010年5月に胃がんのため亡くなりました。
これでレインボー「三頭政治」のうち2人が居なくなったことになります。
リアルタイムで聴いていたオールドファンには寂しい限りです。

ロニーのヴォーカルを今一度楽しみたいと思う、新緑の季節となりました。
合掌…